第2回地域シンポジウム(福島県伊達市より)
出荷制限値100Bq/kgは厳守しつつ
シンポジウムでの提案
”大人1000Bq/kg 子ども100Bq/kg”
議論がはじまった伊達市で、放射性物質からの安全を確保したうえで、古来からある地域特産食品への「摂取制限値」を導入することを提案する、地域シンポジウムを開催します。
具体的には、世界基準値であるCodexを援用して、1,000Bq/kg(子どもは100Bq/kg)を摂取量の制限とすることの妥当性を議論します。
参加者は、伊達市霊山町、田村市、いわき市、川俣町、川内村のそれぞれ地域の食文化を守ってきた皆さん、 地元の人の健康管理に携わる医師、放射線防護について多くの地元民の相談を受けてきた有識者、および国際的な知見を提示する立場としてUNSCEARの専門家です。
これに会場の参加者も交えて、 地元の人びとの気持ちをくみながら食品の安全を確保する方法について、議論します。 皆様のご参加をお待ちしています。
■ 日時
2月3日(火)19:00〜21:30
■KRM会長代行・立葉名よりアピール
「食べたいものを安心して食べられるように!」
KRM 家族のリスクマネジメント勉強会が関わるシンポジウムは昨年の夏に続いて2回目です。
前回は甲状腺検査について。今回は福島県の地元食材の摂取基準(制限)の設定についてです。
福島県では、例えば、地元で自家用に採取したキノコを公的な放射能測定所へ持ち込むと、流通基準(100Bq/kg)を超えていた場合、機械的に「お上に取り上げられてしまう」ようなケースが生じている、という話が非公式ながら伝えられています。「取り上げられる」とまで行かないまでも、「採っちゃいけない」「食べちゃいけない」という自己規制も働くとも聞きます。一方では「気にしないで食べている」という話も聞きます。
この状況で、地元の食文化を守っていくことと、放射線のリスクも適切に把握したり回避したりすることが、両立できるでしょうか?
間もなく流通基準が設定されて3年が経とうとしています。
福島の地元の生の声から、現状を検証して、よりよき道を探ろうとする試みのシンポジウムとなります。福島の地元の皆さんが生き生きとした食文化を維持なされていく事が、きっと復興を後押ししてくれると信じています。多数のご参加と活発な議論を祈念しています。
■ 登壇者プロフィール
・浦島充佳(うらしま みつよし) 【映像参加予定】
東京慈恵会医科大学教授、分子疫学研究室室長、小児科専門医。
1986年慈恵医大卒業後、附属病院において骨髄移植を中心とした小児がん医療に献身。1993年医学博士。 1994年〜1997年ダナファーバー癌研究所留学。2000年ハーバード大学大学院にて公衆衛生修士取得。2013年より現職。 911米国同時多発テロに強い衝撃を受け、医師として大勢の尊い命を守るべく活動するようになる。 専門は小児科、疫学、統計学、がん、感染症。パンデミック、災害医療をも含めたグローバル・ヘルスにも注力している。 著書「放射能汚染 ほんとうの影響を考える」化学同人、「パンデミックを阻止せよ」化学同人。
・越智小枝(おち さえ)
相馬中央病院内科診療科長、英国インペリアル・カレッジ・ロンドン 公衆衛生大学院客員研究員、 星槎大学公衆衛生・スポーツ医学客員講師、全日本剣道連盟指定帯同医。
1993年桜蔭高校卒、1999年東京医科歯科大学医学部卒業。国保旭中央病院などの研修を終え東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科に入局。 東京下町の都立墨東病院での臨床経験を通じて公衆衛生に興味を持ち、2011年10月よりインペリアルカレッジ・ロンドン公衆衛生大学院に進学。 留学決定直後に東京で東日本大震災を経験したことから災害公衆衛生に興味を持ち、相馬市の仮設健診などの活動を手伝いつつ世界保健機関(WHO)・英国の Public Health Englandで研修を積んだ後、2013年11月より相馬中央病院勤務。剣道6段。JBプレスにコラムを連載。
・博多美保子(はかた みほこ)
歯科医師。福島県滝根町の開業医として40数年、地域医療に携わる。また、詩吟を通して日本の伝統文化を弟子と共に学ぶ事30年。 川内村の「琵琶仙人」樋口主水翁に師事、先生亡き後も福島県内で演奏活動を行い、先生の演奏家として人間としてのすばらしさを人々に伝え続けている。
・ルードヴィーク・ドブジンスキ
ポーランド国立原子研究センター教育・訓練部長。
原子力を専門に研究している物理学者。ワルシャワ大学で固体物理学・原子核物理学を学んだ後、 ポーランドのシフィエルクにある国立原子研究センターに勤務し、1981年に原子核法研究所の副所長となる。 1983年にはビャウィストク大学に移り固体物理学研究所を設立し所長を務めたほか、米国、イタリア、 フランスの機関でも研究を行う。 1997年にポーランド国立原子研究センターに戻って教育・訓練部を設立し、 核物質に関する知識を社会に広めるための高校生を対象とした教育や、 放射線防護や原子エネルギーの応用に関する教育を実施してきた。 また、2001年から10 年以上にわたり、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)のメンバーをポーランドの代表として務めている。
・半谷輝己(はんがい てるみ)
BENTON SCHOOL(福島県田村市)校長、地域メディエイター。
塾経営を中心に、20年以上にわたり地域と密着しながら生徒の業や生活の支援を行ってきた。医学部や上位進学高を志望する生徒ばかりではなく、不登校や発達障碍の生徒たちをも積極的に支援している。 平成24年度からは伊達市の放射能健康相談員として、市の幼稚園・保育園・小学校・中学校を中心に180回の講話と100回を超える窓口相談(避難勧奨区域の家庭訪問)を実施している。 平成25年度より、福島県保健福祉部子育て支援課のふくしま保育元気アップ緊急支援事業の派遣講師として、福島県内の600カ所におよぶ保育園を支援している。 日本大学生産工学部工業化学科卒・同大学院工学修士。協同乳業(名糖)研究所を経て有限会社BENTON代表取締役。 福島県双葉町生まれ、現在は福島県田村市に在住。半井紅太郎と言う筆名で「ベントン先生のチョコボール」を発表している。